桑田真澄講演会

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合同記者会見

質問項目Ⅰ 「桑田さんの歩みから」

本日の講演会には、小中学生を中心に1,000人以上の子供たちが来ています。子供たちのこれからの野球人生の参考になるように幾つかの質問をさせていただきます。

Q1:プロ野球の世界で、決して大きくはない体で長年活躍されてきましたが、幼い頃から大きな体の選手の中でどのような意識で野球に取り組まれてきたのですか?
A1:僕も体が小さいということで、コンプレックスを感じていたこともありましたが、あるときから自分のペースで自分らしくしかなければならないと決意しました。100人いたら100通りの練習の仕方があるので、小さいからダメ、細いからダメ、太っているからダメと考えてほしくない。一人一人が世界で唯一の存在で貴重な生き物。自分の目標に向かって諦めず、自分らしさを持って頑張ってほしいと思います。
Q2:幼いころから野球道具を大事にされ、中学・高校の時にも下級生にグローブ、スパイクを磨かせることはなかったそうですが、その想いとは?
A2:グローブやスパイクなどの野球用具は試合で困ったときや練習で辛い時、自分を助けてくれる仲間のような存在であると思います。これまでの野球人生でも抜けたと思ったピッチャー返しのゴロが不思議にグローブに入ってくれて、試合に勝ったりと不思議な経験を幾度も味わってきました。だから自分の用具は愛情を持って手入れするべきだと思います。
Q3:幼い頃から明確な夢や目標をお持ちであったとお聞きしていますが、どのぐらいの頃から、具体的な夢や目標を描かれていたのでしょうか?
A3:自分の目標を明確にしたのは、小学6年生の時です。目標に向かって頑張ることが大事であって、目標を達成したから偉いのではなく、達成できなかったからダメでもない。大事なのは自分が決めた目標に向かって精一杯努力することではないかと思います。

 

質問項目Ⅱ 「IBC活動について」

 最後に桑田さんのこれからの野球人生についてお聞きします。

Q4:野球というスポーツは、サッカーなどの他のスポーツと異なって、団体間の交流や連携が難しい仕組みになっていますが、昨今、全国各地で可能な限りの世代、団体間を越えた連携・交流が地域単位で始まっています。IBCも市町村単位では、全国で始めて組織化を図って活動しています。このような取り組みについてどのようなお考えをお持ちでしょうか?
A4:非常に素晴らしい試みであると思いますし、このようなことがどんどん広まっていけばいいと思っている一人です。アメリカの野球を見させていただきましたが、日本の野球は本当に素晴らしい。でも現状では、プロ・アマの関係や指導者の育成など、まだまだ手をつけなければならないことがたくさんあります。僕も今後は、野球界の後輩たちが少しでもいい環境で野球ができるように、環境を整備していきたいと思います。
Q5:IBCでは、チームの垣根を指導者講習会なども行っておりますが、様々な野球の政界を体験された桑田さんの目から、幼い子供たちを預かる指導者に是非、取り組んでもらいたい事や留意点などをご教授ください。
A5:野球が上手ければいい。勝てばいいという指導はやめてほしい。僕はスポーツマンシップを意識して野球をしてきました。卑怯なことをしてはいけないスポーツで、大人が卑怯なことを教える。例えば一人の選手をチーム全体でやじる。相手チームにすごい投手、打者がいたら、デットボールを狙う。それだけはやめてほしい。そして小学、中学、高校は精神的にも、肉体的にも一番伸びる時期です。この時期に無理な練習をすると必ず体が壊れる。僕も経験しましたが、投げだめや走りだめなどは絶対にできない。バランスよく、毎日少しずつコツコツ練習することを教えてほしいと思います。
Q6:野球は、プレーする人だけでは競技として成り立ちません。指導者のみならず審判やグランドキーパー、トレーナーやマネージャーなど様々な役割の方がいて始めて成り立つ競技です。若いうちはみんなプレーヤーとして野球に携わっていても、年齢とともに野球から離れていってしまう傾向があります。IBCでは競技者のみならず、野球を様々な角度から支える人のサポートや育成も行っていきたいと思っています。長年競技者として活躍されてきた桑田さんの立場から、野球を支える側の方たちや競技者から今後支える立場になる方々にメッセージをお願いします。
A6:今の時点で僕はまだ野球を半分しか知らないと思っています。プレーしつくしたところで半分だと思っています。指導することや裏方をすることができ、初めて野球を知り、野球を好きだと言えると思うんです。プレーできなくなった年齢でも野球に貢献できることがたくさんあることに気づいていただきたいと思います。
Q7:IBCでは野球を通した地域振興にも取り組んでいきたいと考えています。野球を通して地域の人々に夢を与えたり、元気になってもらったりと野球を核にして地域に少しでも貢献できればと考えています。今回桑田さんにいわきにお越しいただいたのもその一環と考えておりますが、野球が生み出す地域への貢献策について、アドバイスなどがあればお願いいたします。
A7:僕はずっと現役選手でやってきたので、今はこれだという答えは思いつきませんが、野球は失敗するスポーツなのです。失敗したら負けだと僕たちも教えられてきましたし、今もそうやって指導されている方もたくさんいると思いますが、大事なことは起き上がることなのです。人生も同じです。嫌なこともたくさんあるのです。失敗してはダメかではなく、倒れたらダメかではなく、大事なことはそこからどうやって起き上がるか、何をして起き上がるか、何を考えて生きていくかが大事であり、そこに一つのヒントがあるのではないでしょうか。

質問項目Ⅲ 「これからの桑田さんについて」

 本日の講演会の主催は、いわきベースボールコミュニケーションという、いわき地域において、野球に携わるすべての世代や団体の垣根を越えた組織であります。活動を開始して約1年が経ちますがこの間、様々な取り組みを行ってきました。
 これからのIBCの活動の参考になるような質問を幾つか、させていただきます。

Q8:長年の夢であった大学に春から通われる予定とお聞きしていますが、その後の目標や夢についてお聞かせください。
A8:僕は実現できなかった夢に挑戦しています。人生は挑戦の連続だと思います。挑戦しなければ生きている意味がないと思っています。周りに無理だと言われていいんです。自分の人生なのです。自分の目標があるのであれば、絶対に挑戦してもらいたいと思います。生きているということは、挑戦する権利があることだと思います。その権利を有効に使っていただきたいですし、挑戦すれば、失敗しても成功しても必ず感動があります。それが生きている証だと思います。それぞれの夢に向かって挑戦していただきたいと思います。
Q9:本日の講演会に際しては、約25,000人の方からの応募がありました。会場の都合上、やむを得ず抽選としましたが、そういった方々も含めまして、いわきの方々にメッセージをお願いいたします。
A9:僕はいつも上ばかり見て生きているように思われます。しっかり目標を立て、その目標に向かって努力はしますが、時々、下を見るようにしています。下を見ると、自分がどれだけ恵まれているのかがよくわかります。自分よりめぐまれていない人は世の中にたくさんいるのです。ですから、恵まれていることをありがたいと思い、また挑戦しようという気持ちになるのです。その連続で毎日生きています。皆さんもきっと嫌なことがあると思います。嫌なことがあるのは当たり前だと思ってください。逆にそれをプラスに変えてほしいのです。勇気をもって何ごとにも挑戦してほしいと思います。